治療案内 > 歯周病
歯周病とは読んで字の如く「歯の周りの病気」で、虫歯のように「歯そのもの」が悪くなるのではなく、歯の周りである歯肉や歯の根を支える骨が侵される病気です。
虫歯と歯周病の違いは、2009年11月にTBS系番組「週刊!健康カレンダー カラダのキモチ(日曜日)」で分かりやすく紹介されています。
以前から行われてる歯周病治療は、患者さん自身の歯ブラシと、歯科医師や歯科衛生士による歯ブラシで取れなくなった歯石の除去です。
歯石とは歯垢が固まったものです。
歯石の除去はこのように行います。
つまり病原菌の塊である歯石を機械的に、そして歯周病の進行度合いによっては手術を伴いながら除去する、いわば外科的な治療法(=歯周外科)のみが行われていました。
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最初のビデオでも紹介されていたように、歯周病は歯周病菌が感染して起こる病気、つまり感染症です。例えば、インフルエンザもインフルエンザウィルスに感染することで発症しますが、内科では薬を処方し患者さんがそれを服用することでウィルスを退治しインフルエンザを治します。
それと同様で歯周病も感染症ですから飲み薬で治せないか?という発想から生まれたのが歯周内科という治療法です。
歯周病菌を顕微鏡で見るとこのような感じです。
実際に歯周病菌に感染していた場合には、その病原菌の種類と数により飲み薬や専用の歯磨剤による除菌を行います。
例えば、ビデオにあったようなスピロヘータは飲み薬を使用しますが、90%以上の確率で1週間後には除菌されています。
つまりマックンのような悪い菌が優勢な状況であっても、歯周内科治療を行えばパックンのような安定した状況に1週間で改善できるのです。
これが歯周内科治療で、21世紀に入ってから日本で発見された最新の治療法です。
上記のビデオでも紹介されていた通り、歯周病菌は1種類ではありません(ビデオでは約7種類と紹介していました)。では実際に自分が歯周病菌に感染しているかどうかを調べるにはどうしたらいいのでしょうか?
現在様々な方法で検査することが可能ですが、米川歯科医院では位相差顕微鏡を用いる方法と、リアルタイムPCR法(歯周病菌のDNA検査)を採用しています。
●位相差顕微鏡を用いる方法
上記のビデオでも使用していた位相差顕微鏡を用いて、直接お口の中のサンプルを採取・観察し歯周病菌と思われる菌が存在するかどうかを確認する方法です。
検査は痛みもなく、短時間で終わります。その場で結果が分かりますし、保険治療が可能ですので安価ですが、精度面では調べられる菌の種類が少なく歯周病菌として判断ができるのはスピロヘータのみです。また量的な情報も計測できませんので、治療薬を選択する際に厳密性に欠けるという弱点があります。
●リアルタイムPCR法(歯周病菌のDNA検査)
お口の中のサンプルを採取・培養し、細菌のDNAを解析・分析する方法、つまりDNA検査です。歯周病検査の中で最先端の技術です。
位相差顕微鏡と同様、痛みもなく、短時間で済みます。また調べられる菌種も6種類あり、どの菌がどのくらい存在しているか数値で調べ結果が出ます。それにより厳密で科学的に感染状況を把握でき、治療薬の選択を正確に行うことが可能です。しかしながら、培養に時間がかかるため分析結果は1週間後でないと分からず、また最先端技術のため保険適応されません。米川歯科医院では1回12,000円(税抜)の検査料がかかります。
歯周病菌の検査により歯周病菌の感染状況を把握できましたら、状況に合わせた薬剤の選択と投与を行い、歯周病菌の除菌を始めます。つまり歯周内科治療の始まりです。
ただ歯周内科治療だけでは病原菌の塊である歯石が除去される訳ではありませんので、除菌を始めたのと同時進行で歯石の除去(歯周外科治療)を行います。
歯周病治療には、この歯周内科治療と歯周外科治療の双方が不可欠で、タッグを組んで進めていくことが大切です。
歯周病の進行度合いによって、どのような薬剤を選択し、どのようなスケジュールで服用するのか、あるいは、どのタイミングで歯周外科を行うのかは判断させて頂きます。
なお歯周内科治療は使用する薬によって保険がきかない場合もありますが、保険内で全て行うことも可能(但しPCR法のみ不可)ですのでお気軽にご相談下さい。
また歯周病は感染症である以上、一度完治しても再感染には十分注意が必要です。つまり再感染をしないようなお口の中の環境作りが欠かせません。治療後は定期検診を継続し、いつまでも歯周病にならない綺麗なお口の中を維持できるようにしましょう。
歯周病は初期の段階で症状が出ないため、知らず知らずのうちに感染し想像以上の長い期間歯周病菌に侵され続けていたということも珍しくありません。特にそのようなケースでは長期間歯周病菌が住み着いてしまっていたこともあり、いざ歯周内科と歯周外科で治療したけれども完全には除菌しきれず、お口の中の状態が綺麗にリセットできなかったというような難治性歯周病も存在します。
そのような難治性の場合は、歯周病菌は少量存在するものの歯周病の症状を発症しないというレベルを維持することに徹する必要があります。
そのようなときに有効な方法をご紹介いたします。もちろん歯周内科や歯周外科を行っている間にも同時進行で行うこともでき、そうすることで相乗効果も期待できます。
●レーザー治療
歯周病の治療には、歯周内科治療、歯周外科治療の他に様々なレーザー光線を用いたレーザー治療も効果的です。
米川歯科医院では、最新の歯周病菌殺菌システムであるペリオウェイブ(a-PDT、抗菌的光線力学療法)を採用しています。
ペリオウェイブはメチレンブルーを主成分としたバイオジェルで細菌を染色し、レーザー光線と化学反応させることで細菌を死滅させます。
2012年1月にテレビ東京系ニュース番組「ワールドビジネスサテライト」で紹介されています。
但し一度のレーザー治療で永久的な安定までは望めませんので、定期健診で経過観察を行いつつ必要であれば再度レーザー治療を行うことをお勧め致します。
※レーザー治療は保険外治療のため、米川歯科医院では1か所につき3,000円(税抜)の治療費がかかります。
●3DS マウスピース除菌療法
3DSとはDental Drug Delivery Systemの頭文字をとった略語で、自分専用のマウスピースを製作し、その中に薬剤を入れてから装着し除菌をするという、究極の予防法です。日本の先生が考案しアメリカでも広く普及している優れた方法です。
薬剤や装着時間は個々のケースにより異なります。薬剤の選択により歯周病のみならず虫歯菌を除菌することも可能です。すべての歯を同時に除菌でき、マウスピースは1度作ると長期に使用可能ですから、ご自宅で気軽に除菌を続けることができます。
ただ3DSは保険治療外ですので、専用マウスピースを作るのに上下1セットで30,000円(税抜)がかかります。
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